日本最大級の「揚水式」発電施設です。
最大出力:193万2千キロワット,実際の発電では,最大130万キロワットを8時間/日
原発1基分の供給力があり,毎秒100tの水で6台の発電機を動かしますから,毎秒600tが上のダムから下のダムへ流れ込みます。
上のダム(黒川ダム)の貯水量は2,136万立方メートルですから,8時間でダムは空になるわけです。夜間,火力,原子力の電力を引き入れて,下から上へ水をくみ上げることになりますが,これには11時間必要です。
エネルギー効率としては,当然のことながらマイナスになります。
だから,「揚水式発電」は,火力,原子力などの基盤施設のバックアップとしてしか用をなさないとのこと。
ちなみに,2011年にこの発電所が90%(120から130万キロワット)のほぼフル稼働したのは,3日~4日にすぎません。
「原子力発電」の代替施設とはなりえないことがはっきりわかりました。
私たちは,奥多々良木ダム発電所の田口所長さんに説明をしていただき,約2時間半にわたって設備の見学を行いました。
火力発電に依存すると,炭酸ガス(温暖化)の問題が加速します。
風力発電には,風力の制約と,設備の維持管理に莫大な費用が発生します。
太陽光発電では,大規模な土地と施設が必要になります。
原子力は,言うまでもなく,「危険」です。
電力会社の技術者は,すでに稼働している施設設備を維持,監視するだけで,「本物の技術者」を養成することが難しくなっている,「コンピュータの画面操作」だけしか経験しない。
将来の日本の技術者の養成がますます難しくなっているとのことでした。
さまざまな課題が山積すること,電気エネルギーに過度に依存する産業社会の持続可能性の見通しは決して明るいものではないのです。
関電 奥多々良木ダム発電所PR館に到着
田口所長さんから講義を受けました。
上ダム(黒川ダム)からの景色
黒川ダム
地下にある発電施設へ
3相交流式発電機の説明を受けました。
「みのり館」にて昼食
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