2013年1月5日土曜日

資本制産業社会の構造と病理

民間の市場経済と政府部門,そして,投機資本市場の3つのステージをここに描いてみました。
 2008年のリーマンショック以降,多くの論者が「金融投機市場」の暴走が,実物経済に致命的なダメージを与えたことを明らかにしてきました。このグローバル化した金融資本の投機を制御することは可能でしょうか。むしろ,投機資本による「搾取」と「収奪」はさらに強力になって,「強奪行為」がのさばるようにも思えます。
 その原因の1つとして,私たち自身が,知らず知らずのうちに,大切な年金基金,生命保険から預貯金に至るまで膨大な資金を差し出しています。投機資本の市場は,これらを吸い込んで,まるで雷雲のように成長しています。
 これに比べると,市場経済,大多数の人びとが働く「産業社会」は下方に広がっています。
 そして,もっとも底辺で全体を支えているのは,この図では描かれていない,「家庭,地域社会のコミュニティ」なのです。
 こうした3層,4層の経済社会の構造のなかで,どの舞台が重要なのか,どのような経済社会の秩序を作り出すことが必要なのかを考えなければなりません。はたして,従来のケインズ主義的な総需要管理政策と金融緩和政策で,投機資本の雷雲のご機嫌をうかがいながら,産業社会を引っ張り上げることができるのでしょうか。

 何が大切な秩序原理であるかを,じっくりと考える2013年にしたいものです。
 
 
 
 

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